初出：小学三年生1982年10月号
ゲーム殺法土グモに捕まり身動きがとれなくなったあらしのタンクに向かって、ドクの乗るタンクからミサイルが発射される。このままではあらし自身がやられるばかりでなく、地球が滅びてしまう。
「そんなことさせるわけには、いかないんだあっ！！」決死の思いで放ったグレートタイフーンだったが、それでも土グモは解けない。しかしあらしのタンクはその場で身震いを始めた。
「あああーっ！！」タンクは目の眩むような閃光を残し大爆発を起こした。今にも命中しようとしていたミサイルはその余波を受けて破壊される。自爆があらしの狙いだったのだ。しかし、あらしは無事なのか…？
「わしにかなわぬと知って、地中のつゆと消えたか、あらし！！」
「ばかめっ、そうかんたんに死んでたまるかってんだ！」
土の中から現われるあらし。タンクを脱出した彼は全身を回転させ、出っ歯で土の中を掘り進んでいたのだ。その勢いをかってドクの乗るタンクのドリル部分を切断し、天井の岩を切り抜いてタンクを押し潰すあらし。
タンクの爆発であいた穴が、地中の洞穴につながっていた。折りしも地底ミサイル・ドリラーが、溶岩の中に突っ込んでいくのが見える。しかし攻撃できるタンクを失ったあらしには手も足も出せない。
「も、もうまにあわない。地球の最期だあっ」
「あきらめるな、あらし！」
そこへさとると一平太が、予備のタンクで駆けつけた。この島は火山島。なんとかして火山を爆発させることができれば、その勢いでドリラーを吹き飛ばす事ができるかもしれない。
「よ、ようし………。地球を救うためならば、この命、はいになってもおしくない！」あらしはいちかばちか、必殺技を放つ。
「くらええっ、全身・炎のコマ！！火竜紅撃ちーっ！！」あらしの全身が炎に包まれる。その温度は溶岩をも超えた。溶岩が沸騰し、そして島が鳴動を始める。火山の噴火である。さしもの地底ミサイルも、大自然のパワーの前にはひとたまりもなかった。地球は救われたのだ。
「わしの負けだ、あらし」命を懸けて戦った男を、ドクは称える。
「あらし、あらしよ。おまえこそ……、まことのゲームチャンピオンだ！」
長かったブラックエイリアンとの戦いはここにようやく終結したのだった。
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