初出：小学三年生1982年8月号
真っ赤に燃える人工衛星の一群が、いまや東京の町に墜落しようとしていた。このままでは甚大な被害は免れない。
「うわははは、おれの勝ちだあーっ！！」狂ったように笑い、勝ち誇るゲームナイト７。だがその前に現われた男がいた。「おまえの勝ちではないっ！！」
かつてあらしに敗れたゲームナイト３号である。ゲームナイト３号は超音波必殺技スーパーソニックを放ち、墜落寸前の人工衛星を破壊した。
「きたないまねはやめろ。ゲームナイト７」そういうとゲームナイト３号は、あらしのマシンから何か小さな装置をもぎとった。ゲームナイト７は、レーザーが衛星に命中しないようインチキをしていたのだ。
気を取り直したあらしは再びレーザー砲を動かし始めた。必殺技の連発で次々と人工衛星を落としていき余裕を取り戻した彼はゲームナイト７に向かって言う。
「インチキやろうめ、まともにやったんじゃ、手が出せねえだろう」
しかしそれはあらしの大いなる見込み違いだった。ゲームナイト３号が言う。
「ゲームナイト７は……。ゲーム組織、ブラックエイリアン最強のゲーム戦士！インチキなどしなくても、あらしとまともにわたりあえる！」
宙に飛んだゲームナイト７の体が輝いた。
「月よ！星よ！天界よ！われに力をあたえん！」
これこそゲームナイト７最強の神秘必殺技、ホロスコープ。優秀な占星術師だった彼は、激しい占星術の特訓中に、天体のエネルギーを使う必殺技を編み出していたのだ。
必殺技の凄まじいパワーに、残りの人工衛星がまとめて落下してきた。炎のコマでもエレクトリックサンダーでも追いつけない。ゲームナイト３号が言う。
「かなうわけがないっ！この技を使ったら、命がないといわれている」
ゲームナイト７はこの戦いに命を懸けて臨んでいるのだ。人工衛星は目前に迫っている。後から駆けつけた一平太はあらしに逃げようと言う。
「相手が命をかけてるのに、やめられるかっ！」一蹴するあらし。
「パワーアップ！真空ハリケーン撃ちーっ！！」
「ばかめっ。そんな技、ホロスコープにはきかん！」ハリケーン撃ちを弾き飛ばすゲームナイト７。
あらしはこのまま負けてしまうのか！？
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