秋川のまんが日記・2007年7月

7/30 (Mon)

「団地ともお」10 (小田扉/ビッグコミックス,小学館,2007)

この巻ではナイスさんの話が印象的だった。すっかり頭の禿げ上がった歳のサラリーマンが主人公。同窓会で子供の頃の名物おじさんの話を思い出した彼は、自分の人生も数十年後に誰かの話題に上れるようなものでありたいと願い、ともおたちと一緒にサッカーに興じ、いつしか「ナイスさん」と呼ばれるようになる。自分がいつか死ぬと認識する事による虚無感は、死後誰かの記憶に残ると信じる事でしか埋め合わせがつかないものなのだとしみじみ思う。

7/29 (Sun)

「真・異種格闘大戦」4 (相原コージ/アクションコミックス,双葉社,2007)

この巻で描かれるのはトラVSクズリ、ゾウVSクマの二戦。共に一方的な試合となり、勝ち上がった者の二回戦での戦いが楽しみになる。色々な組み合わせを想像して楽しめるのがこの漫画のいいところだと思う。

7/25 (Wed)

「ラブやん」8 (田丸浩史/アフタヌーンKC,講談社,2007)

なんだなんだ？いつもとちょっと勝手が違うぞ？一瞬とは言えラブやんとカズフサがいい雰囲気になったり、庵子が結婚することになってしんみりしたりと、真面目なシーンがちらほら。まあ大半はバカで下品ないつものノリなんだけど、普段ふざけまくっている作品でたまに真面目な事やられると、余計にぐっとくるじゃないか。

7/22 (Sun)

「米吐き娘　大吟醸」(古林海月/イブニングKC,講談社,2007)

第二巻にして最終巻は、残りのエピソードを完全収録せず選集になっているらしい。力の抜けた独特のとぼけた雰囲気がある作品だったのでちょっと残念。

7/13 (Fri)

「つぶらら」2 (山名沢湖/アクションコミックス,双葉社,2007)

最初の辺り、なんだか方向性が定まらなくなりつつあるようで不安になったが、そこからあっと驚く急展開。つぶらが(ローカル放送の)アイドルに！状況に振り回されつつもどこかマイペースな主人公のキャラクターが生かされて、とても楽しい。更に恋の始まりも？先の展開は全く読めないが、どう転ぶにせよ、いつまでもこのヘンなノリを維持して突っ走ってほしい。

7/12 (Thu)

「姫武将政宗伝ぼんたん!!」1 (阿部川キネコ/バーズコミックス,幻冬舎,2007)

伊達政宗が実は女性だった、という設定でその幼少期を描く作品。四コマ漫画で活躍してきた作者だが、非四コマでも普通に面白くて安心した。これからシリアスとギャグの比率がどうなるかが見ものかな。

7/9 (Mon)

「ONE PIECE」46 (尾田栄一郎/ジャンプコミックス,集英社,2007)

舞台は、ゾンビだらけの島スリラーバークへ。新しい島が描かれるたびに思うが、毎度毎度溢れんばかりのアイデアをこれでもかと詰め込む、作者のバイタリティに感服する。その分一コマ一コマの情報量が多すぎて、さらっとは読みにくい仕上がりだが、時間と心に余裕がある時にじっくり眺めながら読むと楽しさは倍増。もう10年続いてるってのに、すげえなあ。

「アイシールド21」25 (村田雄介＋稲垣理一郎/ジャンプコミックス,集英社,2007)

対王城戦は続く。これまで、作戦で相手の裏をかく面白さが目立っていた作品だが、この試合では奇策は影を潜め、純粋なパワーとスピードとテクニックのぶつかり合いが続く。連載時に読んだ時は地味な展開という印象を受けたが、まとめて読むとそれが息苦しいほどの緊張感を感じさせていてちょっと驚いた。

「お菓子な片思い」2 (阿部川キネコ/バンブーコミックス,竹書房,2007)

これにて完結。「片思い」にこだわった結果としてのやや歯切れが悪い結末だが、一応ハッピーエンドかな。個人的には、ストーリーや片思いの切なさ甘酸っぱさの描写よりも、四コマ漫画としての一本一本の質の高さを評価したい。

7/6 (Fri)

「ふたりごと自由帳」(小坂俊史＋重野なおき/まんがタイムコミックス,芳文社,2007)

四コマ漫画で活躍中の両作者が同人誌で発表している、「いつもと違う」作品を集めた短編集。一本あたり数ページだったり四コマ形式だったりと短い作品が多いのだが、内容は充実しまくり。なんてことのない日常に潜む、若さと青さとほろ苦さと甘酸っぱさがないまぜになった、胸に沁みる話がたっぷり。いやーいい漫画を読ませてもらいました。

7/4 (Wed)

「ゾルゲ大全集」下 (ゾルゲ市蔵/マイクロマガジン社,2007)

作者の細かい作品を集めた単行本。どれもこれもデタラメ感に満ち溢れていて素晴らしい。初連載作である「横綱大社長」は、450連勝を達成した横綱が社長になり、日本を世界を宇宙をその手にしていく話だが、この頃から作風にブレがないのが見てとれる。圧倒的な押しの迫力だけで展開させられるムチャクチャなストーリーが見どころ。

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