秋川のまんが日記・2007年5月

5/28 (Mon)

「環水惑星年代記」(大石まさる/YKコミックス,少年画報社,2007)

軌道エレベーターがあったり、日本が水没していたりと、SF的近未来を舞台とした叙情的連作集の第三巻。SF設定がストーリーに直接絡んでこない話もあるんだけど、未来というものへの漠然とした希望や憧憬といった雰囲気を醸し出す舞台装置として作用していて、描かれる青春の美しさや甘酸っぱさを盛り立てる大事な役目を担っているのがわかる。読んでいてなんだか幸せな気分になれる漫画だ。

「惑星のさみだれ」3 (水上悟志/YKコミックス,少年画報社,2007)

敵のボスである「魔法使い」の登場、そして獣の騎士集合と、話は一気に進む。展開が早くていいねえ。増えたキャラクターがそれぞれ必殺技を持っていたりというバトル部分の材料に加え、世界と周囲の人々への愛情を持てなかった主人公に変化の兆しと葛藤の芽生えが見え始め、心理劇の面でも先が楽しみになってきた。面白い。

5/26 (Sat)

「Dear Monkey 西遊記」5 (白井三二朗/シリウスKC,講談社,2007)

羅刹女と牛魔王の悲しい物語で始まる5巻は、最後に来てヒロインの記憶が操作されて連れ去られるという最悪の状況に。ただでさえ敵の方が圧倒的に強いってのに、これ以上逆境に追い込む気かよ！一体これからどうなってしまうのか、読んでいてぐいぐい引き込まれる。面白い漫画描くよなあ。

「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」2 (長谷川裕一＋矢立肇・富野由悠季/カドカワコミックスエース,角川書店,2006)

1巻でも思ったけど、ちょっと駆け足気味か？展開にスピード感があっていいんだけど、早く終わってしまうのは残念だなあ。企画ものなので、最初から全何回と決まっていたとしても不思議ではないし。

「千秋しまってこー！！」2 (重野なおき/バンブーコミックス,竹書房,2007)

主要メンバー以外の部員にやっとスポットが当てられた！まあチョイ役なのは否定しようがない事実なので、おざなりな扱いそれ自体をネタにする形だけど。それでもこれは大正解だと思う。1巻に比べてかなり面白くなった。地味な存在と対比させた方が主人公のキャラクターが映えるからだろうか。

「まんが極道」1 (唐沢なをき/ビームコミックス,エンターブレイン,2007)

漫画家と漫画業界をネタにした作品。「漫画家超残酷物語」と似ているんだけど、こちらはよりブラックな風味で、身も蓋も救いもないひどい話が続く。笑い飛ばしにくいなあ。

5/21 (Mon)

「DEATH NOTE」11-12 (小畑健＋大場つぐみ/ジャンプコミックス,集英社,2006)

ずっと積ん読になっていたのを思い出したので読む。最終二巻ということで、広げた風呂敷をひたすら畳む展開。計算されたラストへ物語は一気に収束していく。連載時から程よく時間が経ったせいか、割りと新鮮な気持ちで読めた。

「ファミコンランナー高橋名人物語」5 (河合一慶/ワンダーライフスペシャル,小学館,1987)211

ネットオークションで購入。最初の頃は建て前上は実録ストーリー風の体裁だった作品だけど、この辺りから開き直って更にメチャクチャになっていく。残るは最終第6巻のみだと思うのだけど、いつになったら見つかるだろうか……。

5/14 (Mon)

「JIN-仁-」8 (村上もとか/ジャンプコミックスデラックス,集英社,2007)

7巻に続くエピソード、大恩人である栄さんを助けるため菓子を作る話が印象的。仁の涙の説得が通じる場面が心に残る。あと、あんドーナツがやたら美味そうだ。

5/13 (Sun)

「とめはねっ！」1 (河合克敏/ヤングサンデーコミックス,小学館,2007)

書道部漫画。また変わったテーマを選んだものだが、これがなかなか面白い。個性豊かなキャラクターのやり取りが楽しいし、書道の基礎や豆知識についても触れられていて、文化系まったり部活漫画としてかなり楽しく読める。

5/4 (Fri)

「アニメがお仕事！」6 (石田敦子/YKコミックス,少年画報社,2007)

この巻は珍しく鬱々した展開は少なめかな。仕事が軌道に乗っていく様子が読んでいて気持ちいい。しかし最後に男女関係のドロドロへの端緒が描かれる。次の巻はまたヘビーな話になりそうだなあ。

5/2 (Wed)

「皇龍飯店」(竹山祐右/バーズコミックス,幻冬舎,2007)

拳法漫画。読後感が非常に爽やか、肩肘張らず楽しく読めたんだけど、後書きに「王道すぎた感はあります」とある通り、ちょっとフックが足りなかったかも。話の組み立てはきっちりしているので、何かプラスアルファがあればもっと面白くなったんじゃなかろうか。

5/1 (Tue)

「のの美捜査中！」4 (重野なおき/ジェッツコミックス,白泉社,2007)

重野なおき作品としてはいまひとつ地味な感があった漫画なんだけど、今回はかなり面白く読めた。鈴木刑事を始めとして、脇キャラがより弾けている感じなのが原因か？

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