秋川のまんが日記・2007年3月

3/31 (Sat)

「サイダースファンクラブ」2 (小坂俊史/バンブーコミックス,竹書房,2007): ありゃー2巻で終わりか、面白いのにもったいない。それにしても小坂作品は円熟と言ってもいいぐらいの安定感があるなあ。

3/27 (Mon)

「エマ」8 (森薫/ビームコミックス,エンターブレイン,2007): 7巻でいったん終了した作品の、嬉しい番外編。本編で描かれた様々な人や場所や小道具に関わるショーストーリーが連なる。もう一、二冊ぐらい出るんだとか。どの話にも優しさ溢れる空気とゆったりとした時間が流れていて、読んでいてなんとも心地良い。作者はまだまだ19世紀イギリスを描き足りないようなので、もう思う存分好きな世界を描きまくってほしいものだ。
「ふたつのスピカ」12 (柳沼行/MFコミックス,メディアファクトリー,2007): 夏休みの小旅行を通して五人の絆は更に深まり、そして物語についに動きが。来るべき時が来たのだとは言え、この展開は切ないなあ。

3/24 (Fri)

「キミキス」1 (東雲太郎/ジェッツコミックス,白泉社,2007): 恋愛シミュレーションゲームのコミカライズらしい。ひたすら甘々な展開をストレートにぶつける雰囲気勝負の作品。ストーリーや心理描写はほぼ無いに等しいのだが、主人公カップルのラブラブっぷりが実に濃厚でやられた。タイトル通りキスしかしないのに妙にエロいのは何故だ。

3/23 (Thu)

「ジャジャ」8 (えのあきら/サンデーGXコミックス,小学館,2007): レナとミヤギの間についに進展が！？という巻なのだけど、本当にもうじれったいぐらいにいい雰囲気にならないなあ。まあ二人の関係が変わってしまったら漫画が終わってしまうのでしょうがないんだけど。読者としてはこの生かさず殺さず感にひたすら耐えるしかないのだ。

3/18 (Sun)

「勝ち組フリーター列伝」(吉本浩二＋大西祥平/ビッグコミックススペシャル,小学館,2006): なんちゅうタイトルだ！デイトレードで一億円稼いだり、フリーターから議員になったりと、定職に就かずに成功を遂げた人たち七人へのインタビューで構成された作品。それぞれの生き様が波乱万丈なのに加え、作者二人のキャラクターもかなりいい味を出していて面白い。なんだか会社勤めしなくても余裕で生きていけそうな気がしてくる危険な漫画だ。
「おたくの娘さん」1 (すたひろ/角川コミックスドラゴンJr.,角川書店,2006): おたくの主人公のもとに、娘と名乗る九歳の女の子が現れる。純真な子供を対比させる事でおたくの生態を自虐ギャグにすると共に、二人がだんだんと親子になっていく様を描くホームドラマにも仕立てているわけで、一石二鳥な設定であることよ。

3/15 (Thu)

「庭先案内」2 (須藤真澄/ビームコミックス,エンターブレイン,2007): 奇妙であたたかなファンタジー短編集の第二巻。収録作最後の「村の花咲く」が良かったなあ。110年に一度だけ村人の願いを叶えるという花の咲く日が訪れる。その時、おばあちゃんと孫娘の願った事とは。この人の描くお年寄りは、可愛らしくて優しくて時にふてぶてしくて大好きだ。

3/14 (Wed)

「街角花だより」(こうの史代/アクションコミックス,双葉社,2007): 新作かと思って買ってみたら、デビュー作を含む初期作品集でした。十年以上前の作品もあるのだけど、その作風は近作と驚くほど似ている。心温まる描写と身も蓋もないオチが共存するちょっととぼけたな雰囲気は、この頃から変わってないのね。
「オンサイト！」1-2 (尾瀬あきら/モーニングKC,講談社,2005): フリークライミングを題材にした漫画。作者お得意の、主人公のモノローグを軸にした語り口が実に読ませる。自分の限界に挑む事に魅せられていく人間というのは、なんとも輝いていることだなあ。

3/10 (Sat)

「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」1-2 (渡辺航/バンチコミックス,新潮社,2006): 前から何となく気になっていたので買ってみたら、これが結構面白い。自分勝手に我が道を行く局長が率いる探偵事務所を舞台にしたコメディ。ストーリーはたいしたことないけど、テンポの良いスラップスティック中心で、作品世界も非常に居心地が良くて、読んでいて楽しい。可愛らしい絵柄と女性キャラが活躍する華やかさが魅力的な作品だが、過度にそちら方面に傾きすぎずきっちりドタバタで話を回すところにも好感が持てる。が、連載中のを読もうと思ってバンチの今週号を手に取ったら、なんと次回で最終回なんだとか。せっかく気に入ったのにそりゃないよ。

3/9 (Fri)

「わがまま戦隊ブルームハート！」1 (石田敦子/バーズコミックス,幻冬舎,2006): 五人の小学三年生による、町の平和を守る変身ヒロインもの。「あかりミックス」の発展形っぽいかも。最初はわりと穏やかないい話を中心にストーリーが進むが、後半は石田作品らしい重苦しい展開に。これがまたイヤーなところで次巻に続くんだ。

3/5 (Mon)

「ONE PIECE」45 (尾田栄一郎/ジャンプコミックス,集英社,2007): ウォーターセブン～エニエス・ロビー編も一段落つき、この巻はインターミッション的な展開に。懐かしい面々のその後や様々な新事実が描かれ、パーティーの再結成と新メンバー加入が済んで新たな旅へ。基本バトル漫画なのに、ほとんどバトルが無くてもしっかり読ませるのが見事。

3/4 (Sun)

「太臓もて王サーガ」6 (大亜門/ジャンプコミックス,集英社,2007): 今回の目玉は読者によるキャラクター人気投票の結果発表回。他の漫画のキャラクターがベスト10入りしたり、作者が3位だったり、どうでもいいようなキャラクターへの投票が多数あったりと、もうメチャクチャ。いやー作品だけでなく読者の側もバカ一直線で実に素晴らしい。思い切り笑わせてもらいました。

3/1 (Thu)

「鉄子の旅」6 (菊池直恵＋横見浩彦/IKKIコミックス,小学館,2007): 最終巻。まだまだ人気はあると思うんだけど、あっさり終わらせちゃったもんだなあ。もっとも、横見さんにフォーカスを合わせる作劇を続ける限りあまり多彩な変化は望めないので、これぐらいで終わるのがかえって印象に残りやすいのかもしれない。これまで楽しませてもらいました。

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